6月から8月までは炭焼きはせずに下刈り作業などをしています。
下刈りとは植林した木が雑草や雑木に負けないように刈り払う仕事です。
それは造林作業と呼ばれる仕事のひとつで林業の仕事の中でも最もきつい仕事とされています。
「木を伐ったら植える」、「植えたら育てる」
これにはさまざまな考え方があります。皆伐しなければ植えなくてもよい。下刈りも不要だ。そんな意見もあります。
近年は若い人のあいだで林業を目指す人も増えてきてますがどうしても木を伐るほうばかり目が行ってしまいがち。
しかし、この造林作業をぜひ経験してほしいと私は強く思うのです。
造林作業はきついし地味です。
でも、ここから山の歩き方や体の使い方を学ぶのです。
そして木を育てる。林をつくる。ということを身をもって知るのです。
山に入り、地べたに這いつくばって、木になって考えるのです。
そうして育てた木をどう利用するか、森をどう管理していくかを考えていくのです。
木や森について誰かと話をしていても造林を経験していない人と経験している人との間にはなにか大きな壁があるように感じます。
もちろんすべての人が経験できることではありませんし、危険もたくさんあります。
会社によっては造林に対する愛がないこともあるかもしれません。
わたしは恵まれていたなと数年ぶりに下刈りをして感じました。
山と木に真剣に向き合い、絶対に手を抜かない。
「どこに出ても恥ずかしくないような仕事をしろ」
それは誇りなのです。
山に仲間に愛に満ち溢れた環境で働けたことが今の自分につながっている。
その大先輩が今年亡くなったと聞いたのはそんな下刈り中の時でした。
ありがとうございます。
あなたのおかげで自分は今もこうして山にいられるのです。
RIP Kin-chan

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