木炭の主原料であるミズナラはシイタケの栽培にも利用される木です。
シイタケ栽培には大きく分けて2つあります。
ひとつは丸太を使用した原木栽培とおが粉を利用した菌床栽培です。
原木栽培はホダ木とよばれる丸太にキノコの菌を打ち込んで水分管理や温度管理をしてキノコを栽培します。非常に手間のかかる仕事ですし重たい木を定期的に水につけたりと重労働な仕事です。
一方、菌床栽培はポットに入れられた菌床を温度と湿度がコントロールされている室内で栽培します。設備投資が必要ですが収量は一定しますし労働力は大幅に削減されているのです。
それでいて値段はというとどちらもほとんど差はないのです!
スーパーに行くとむしろ菌床栽培であることを自慢している商品が目につきます。
「原木栽培のほうがずっと手間がかかるし美味しいはずなのに。。」
これでは原木栽培をする人なんていない。現に原木栽培農家は減少の一途です。
この状況を変えるには消費者の意識を変えるしかないと思っていました。
しかし東川原木椎茸さんと出会ってからそれは違うのだと知りました。
つらい原木椎茸の労力を低減させるため、収量を安定化させるために原木椎茸の生産方法は改良を続けてきた歴史があります。
より早く、より多く、より低労力に椎茸を生産することを目指した技術革新はついに原木を不要とすることになったのです。
原木でありながらほとんど木から養分は得ておらず常に適温適湿な環境が求められる現在の原木椎茸の世界。味も本来のものからは劣化しているだそう。この流れにある原木椎茸は原木であるメリットはありません。
本来の原木椎茸は木を養分にしてじっくりと成長していくのだそうで多少寒かったり暑かったりしても問題はないとのこと。確かに収量は少ないし不安定なのだが味は格段に違うとのこと。
じゃぁ、なんでその菌が使われなくなってしまったのか?
このあたりの問題を考えていくと非常に興味深いです。
やがてすべての食糧は無菌状態の温室で作られるのかもしれません。そうなれば完全無農薬も夢ではないでしょう。
ですがそれを我々は本当にもとめているのでしょうか。
はやく本当の原木椎茸を食べてみたいです。
ペーパンの木で育った椎茸をペーパン木炭で焼いて。。
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